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外壁塗装と外壁張替え、外壁リフォームにはどちらが良い?

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ご自宅の外壁が傷んだり汚れてきた際には外壁リフォームを検討されるかと思います。
しかし外壁リフォームには、「外壁塗装」「外壁張替え」「外壁カバー工法」などいくつか工事の種類があるため、「自分の家にはどの工事が適しているんだろう?」と悩まれる方も多くいらっしゃいます。
工事によって費用は大きく変わってきますし、一口に同じ外壁リフォームと言っても、その施工内容もメンテナンス効果も工法によって大きく異なります。
今回は、外壁リフォームを検討されている方の参考になるように、それぞれの工事の内容や費用、外壁材ごとの注意点などを解説していきます。

外壁の寿命は「定期的にしっかりメンテナンスを行うかどうか」で大きく変わってきますが、最も適したリフォーム工法は外壁材ごとに、さらには築年数でも変わってくるので、ぜひ外壁リフォームをご検討中の方は参考にしてください(*^^*)

 

外壁塗装・外壁張替え・外壁カバー工法の工事内容を徹底比較

外壁のリフォームと聞くと多くの方が思い浮かべるのが「外壁塗装」ではないでしょうか?
しかし外壁リフォームには塗装以外にも、既存の外壁を撤去し新しいものへと張り替える「外壁張替え」、既存外壁の上から新しい外壁材を張り付ける「外壁カバー工法」があります。

どの工事が自宅の外壁リフォームに適しているかは、現在の外壁の状態はもちろん、使用している外壁材、築年数、そしてその家にあとどれくらい住む予定なのか?によっても異なります
いずれの工事も目的は「外壁を適正な状態に戻し、外壁の劣化進行を止める or 外壁の劣化を修繕する」ことです。
定期的に適切なメンテナンスを行うことで外壁の寿命を延ばすことが、建物全体の寿命を延ばすことに繋がります。

それでは、各工事について詳しく見ていきましょう。

外壁塗装

外壁のリフォームと聞いて多くの方が思い浮かべるのが外壁塗装ではないでしょうか。
外壁塗装は皆様もご存じの通り、塗料を外壁に塗布することで塗膜を形成し、塗膜によって防水性を確保し、紫外線や雨風から外壁を守るために行われます。
また、外壁塗装ではただ塗料を塗るだけでなく、クラック(ひび割れ)や塗膜の剥がれが浮きがある場合には修繕作業を行います。

外壁塗装は一度行えばそれで終わりという訳ではなく、最も汎用的なグレードであるシリコン塗料で10年〜15年、ハイグレードであるフッ素塗料で15年〜20年程度で塗膜の劣化が進行します。
そのため、塗膜に劣化症状が現れたら塗り替えを検討するサインとなるので、ぜひ覚えておきましょう。

外壁塗装は外壁張替えや外壁カバー工法と比べると費用も安く、比較的に手頃に行える外壁リフォームです。
また、選ぶ塗料によって遮熱・断熱機能や雨水で外壁の汚れを洗い流してくれるセルフクリーニング機能といった新しい機能を手軽に付与することもできます。
どのグレードのどんな塗料を選ぶかで費用は大きく変わってくるので、ご自身のご要望をしっかり塗装業者に伝え、最もコストパフォーマンスの良い塗料を選ぶようにしましょう。

 

外壁張替え

外壁張り替えは、既存の外壁材をすべて撤去し、新しい外壁材へと張り替える工事です。
外壁表面の外壁材だけでなく、外壁内側の防水シートや過去に雨漏りなどが発生し外壁内部に痛みや腐食などが発生している場合でもすべて修繕することができます。
そのため、外壁リフォームにおいてメンテナンス効果という意味では最も効果的な工事と言えるでしょう。
また、建物の構造や強度にもよりますが、新たに張り替える外壁材は自由に選ぶことができるので、住まい外観の雰囲気を大きく変えることもできます。

もし外壁から雨漏りが起こっている場合は、外壁塗装だけで雨漏りを完全に止めることはできません。
外壁塗装ではあくまでも外壁表面のメンテナンスしかできないため、外壁内部の修繕・補修ができないからです。
外壁で発生した雨漏りの修理においては、こちらの外壁張替えが選ばれる場合が多いです。

非常にメンテナンス効果の高い外壁張替えですが、既存外壁の解体・撤去、さらに廃材の処分費用が発生するので、外壁リフォームの中では最も高額な工事となります。
外壁張替えの唯一にして最大のデメリットと言えますね。

外壁カバー工法

外壁カバー工法

外壁カバー工法は、既存の外壁材の上から新たに外壁材を張り付ける工事です。
外壁材を被せる(カバーする)ことから、外壁カバー工法と呼ばれています。
モルタルやALC、サイディングといった外壁表面の外壁材は耐用年数が過ぎて劣化してしまったけど、外壁内部には劣化が少なく強度的にも問題が無いといった場合に採用されます。

外壁張替えと比べて、既存外壁の解体・撤去、廃材の処分費用が発生しないので、外壁張替えより費用を抑えることができます
また、外壁が既存外壁材と新しい外壁材の二重構造となるため、断熱性や遮音性の向上も期待できます。

ただし、外壁が二重構造になるということは、同時に重量が増してしまい耐震性が低下します
詳しくは後述しますが、外壁カバー工法では新しい外壁材には外壁材の中で最も軽量な金属系サイディングを採用することとなります。

外壁表面が新品になるため塗装工事よりメンテナンス効果が高く、住まい外観の雰囲気を大きく変えることができる外壁カバー工法ですが、あくまでもこの工法を採用できるのは「外壁内部には劣化が少なく強度的にも問題が無い場合」なのでぜひ覚えておいてください。

外壁張替え・外壁カバー工法では外壁材の重量に注意しよう!

この記事をご覧になっている方の中で、インターネットで「外壁張替え」で検索した際に、同じ意味で「外壁サイディング張替え」という言葉が使われているのを見たことはないでしょうか?
あえて「サイディング」と書かれているのには理由があります。

外壁張替え・外壁カバー工法をご検討中の一点覚えておいていただきたいのが、既存の外壁材より重たい外壁材は採用しない方が良いという点です。
なぜなら、建物の柱や梁などの筐体は「どれくらいの重量を支えることができるか」が計算されており、その数値を超えるような重たい外壁材を採用してしまうと耐震性が著しく低下するからです。

外壁材として使用される各建材の重量は以下のようになります。

外壁材
重量(kg/㎡)
モルタル
約36.4kg/㎡
ALC
約18.8kg/㎡
窯業系サイディング
約17.3kg/㎡
金属系サイディング
約3.6kg/㎡

上記の表を見ていただくと、各外壁材の中でサイディングは比較的軽量な外壁材であるのがおわかりいただけると思います。
そのため、「外壁張替え」とほぼ同じ意味で「外壁サイディング張替え」と表記される訳です。

この内、外壁張替えでは窯業系サイディングも使用することができますが、外壁カバー工法では採用できるのはほぼ金属系サイディング一択となります。
外壁カバー工法は既存外壁の上に新たに外壁材を張り付ける工事となるため、外壁の重量が増加することがあっても低下することはありません。
そのため、外壁の重量増加を少しでも抑えるために、外壁カバー工法では窯業系サイディングの約1/5しか重量がない金属系サイディングが選ばれるのです。

外壁の重量は住まいの耐震性に大きく関わってきますので、ぜひ覚えておきましょう。

 

外壁塗装・外壁張替え・外壁カバー工法の費用を徹底比較

次に、各外壁リフォーム工事の費用について見ていきましょう。
ここでは、30坪の2階建ての戸建て、外壁張替えは窯業系サイディング、外壁カバー工法は金属系サイディングの使用を想定しています。

工事名
費用相場
耐用年数
外壁塗装
60万円~100万円
10年〜20年
外壁張替え
180万円〜200万円
40年〜
外壁カバー工法
150万円〜180万円
40年〜

一度限りの工事費用だけで考えると、やはり外壁塗装が一番お得に外壁リフォームを行うことができます

ちなみに、外壁塗装の工事費用の幅が大きいのは、どんなグレードの塗料を使用するかで価格が大きく変わってくるからです。
最も汎用的なシリコン塗料であれば、工事単価は1,800円〜3,000円/㎡ですが、ハイグレードのフッ素塗料なら3,500円~4,500円/㎡、最も高価な無機塗料では3,500円~5,000円/㎡と1㎡あたりの単価は倍程度違ってきます。
ここで注意したいのは、なんでも高価な塗料を使用すれば良いという訳ではないという点です。

塗料は、価格が高額になるほど耐用年数も延びる傾向にあります。
しかし、例えば「子供が成人したら夫婦2人で小さい家に移り住もうと考えている…
そのケースであれば、耐用年数が10年〜15年のシリコン塗料を選んで問題ありません。
このように、塗料を選ぶ際は塗料の機能、費用といった点以外にも、ご自身のライフプランなども考慮する必要があるのです。

外壁張替え、外壁カバー工法の工事費用を見てみると、外壁塗装のおよそ倍以上の価格となっています。
しかし、塗料選びと同じように一度限りの工事費用ではなく長い視点で考えると、外壁張替え・外壁カバー工法の方がお得になるケースもあります

例えば、「現在40代半ば、老後までこの家でずっと暮らしたい」とお考えの方で、仮にあと40年暮らすと想定すると、

外壁塗装:シリコン塗料での外壁塗装を10年〜15年に一度、3〜4回の塗り替え=60万円×4回=240万円
外壁張替え:窯業系サイディングを使用して外壁張替え工事を1回=180万円〜200万円

となり、外壁張替えの方がコストパフォーマンスも良くなる上に、定期的に何度も大掛かりなリフォーム工事を行う手間も無くなります。

外壁リフォームでどの工事を選ぶかは、現在の外壁の状態、使用している外壁材、築年数、そして「その家にあとどれくらい住む予定なのか?」などあらゆる点を考慮して選ぶ必要があります。
ぜひ工事業者に相談の上、ご自身の住まい、そしてご要望に最も適した工事を選ぶようにしましょう。

外壁材ごとの外壁リフォームの目安とは?

ここまで、外壁リフォームにおける各工法の詳細や費用について解説してきました。
解説のように、工事内容が変わればどこまでメンテナンスできるのかが大きく異なりますし、費用も大きく変わってきます。
外壁塗装・外壁張替え・外壁カバー工法の中から外壁に最も適した工事を行う訳ですが、どの工事を行うかは「既存外壁材は何が使われているか?」、そして「外壁はどういう状態か?」が大きく関わってきます。

一口に外壁材と言ってもその種類は多く、外壁材によって耐用年数が異なり、劣化症状も違ってきます
各外壁材の耐用年数は以下になります。

外壁材
耐用年数
窯業系サイディング
40年
金属系サイディング
40年
モルタル
30年
ALC
60年
タイル
40年

それでは各外壁材ごとに、外壁の状態に適したリフォームは何なのかを見ていきましょう。

窯業系サイディング

窯業系サイディング

窯業系サイディングは、セメントと繊維を主原料として成型された板です。
近年の新築住宅の7割がサイディングが使われていると言われていますが、その7割の内のほとんどがこの窯業系サイディングです。

外壁表面を指で触った時に白い粉が付着する「チョーキング現象」が起こっていれば外壁塗装を検討しましょう

外壁のチョーキング(白亜化)現象はなぜ起こる?原因や補修費用は?

また、サイディングの繋ぎ目に使われるコーキング(シーリング)は紫外線によって劣化しやすいので、コーキングも合わせて打ち替える必要があります。

サイディングに反りや浮きが発生していれば外壁カバー工法外壁材自体に崩れや腐蝕が発生していれば外壁張替えを検討しましょう。

金属系サイディング

金属系サイディングは、素材にガルバリウムやステンレス、アルミなどが使用されたサイディングです。
素材が金属なので、窯業系サイディングに比べて耐久力がありメンテナンスの必要回数も少なくなります。
ただし、金属である以上やはり天敵は錆であり、定期的な塗装によって防水性を保ち、雨水から守ってあげる必要があります。

窯業系サイディングと同様に、「チョーキング現象」が起こっていれば外壁塗装を検討しましょう
サイディング表面に錆が発生している程度であれば、塗装工事で充分メンテナンスが可能です。

しかし、錆がひどく穴が空いたり割れや欠けが発生している場合には、外壁カバー工法・外壁張替えを検討してください。

モルタル

モルタルは、砂と水とセメントを混ぜて作った外壁材です。
施工性が良く、防火性が非常に高いので、一昔前までは外壁材の主流でした。
また、板を貼り合わせるサイディングとは違い、継ぎ目ができないためシームレスな美しい外観を作ることができます

しかし、クラック(ひび割れ)が起こりやすいという特徴があるため、もし外壁にひび割れを発見したら外壁塗装で対処しましょう。
外壁塗装を行う際は、クラックもしっかり補修してから塗装するため、ひびが小さい内であれば充分メンテナンス可能です。
また、チョーキングも塗り替えを検討する目安となります

クラックが進んでしまい、外壁表面に崩れが見られる場合には外壁カバー工法・外壁張替えを検討しましょう。
ただし、モルタル外壁で外壁張替えを行う場合は、解体して造り直しとなるので注意が必要です。

タイル

タイル

タイルは、砂・石といった無機物を焼き上げて成形された外壁材です。
無機物という特性上、紫外線や雨風など自然環境の影響を受けにくく、劣化や変色が起こりにくいので基本的に塗装によるメンテナンスは不要です。

ただし、タイルの継ぎ目に充填されているコーキングは紫外線によって劣化が進むので、定期的に打ち替える必要があります。
また、タイルに剥がれ・浮き・ひび割れが発生している場合も、早めに修繕を行なった方が良いでしょう。

 

結局、どの外壁リフォーム工事が良いの?

ここまで、「外壁塗装」「外壁張替え」「外壁カバー工法」など外壁リフォームの各工事について解説してきました。
外壁リフォームを行う際には、やはり皆様のご要望に沿った上で最もコストパフォーマンスの良い工事を選びたいものですが、解説してきたように何が最適かは現在の外壁の状態、使用している外壁材、築年数、そして「その家にあとどれくらい住む予定なのか?」などあらゆる点を考慮する必要があります。

一概にこの工事が一番良いとはお伝えできませんが、前項でご紹介したように外壁材の耐用年数は最も短いモルタルで30年、多くの外壁材が40年前後です。
そのため、「新築から30年〜35年までは外壁塗装で定期的なメンテナンス、外壁材の寿命を迎える35年程度が経過した時点で外壁張替え・外壁カバー工法を検討する」と覚えておくと良いでしょう。

この中で重要となるのが、定期的なメンテナンスである外壁塗装です。
例えば窯業系サイディングや金属系サイディングは耐用年数が40年程度とされていますが、これはしっかりメンテナンスを行なった場合の話です。
もし定期的な外壁塗装を怠れば、20年を過ぎた頃に外壁材に大きな劣化症状が現れることも十分に考えられます

外壁材の耐用年数を迎える前に、外壁張替えや外壁カバー工法など大掛かりな外壁リフォームを検討する必要はあまりありません。
しかし、それはあくまでも耐用年数を迎えるまでの間、定期的に外壁塗装を行って外壁材の耐用年数を最大限延ばした場合です。
まずはすべての基本となる外壁塗装を10年〜15年の期間で定期的に行い、外壁材の耐用年数を延ばしてあげることを第一に考えましょう。

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